四季折々

体験した作品の備忘録

DDLC DokiDoki Literature Club!

 

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 プレイヤーが自殺したという話題でツイッターを賑やかしたのをきっかけにプレイ。なるべくネタバレを見る前に遊ぼうと極力ツイッターを避けつつ一気に遊んだ気がする
 当初はホラー描写、異常な展開が話題の主流だった気がするけど、遊んでみるとそこはエンディングに至るまでの一部であって、このゲームの一番主張したい部分はそのあとのモニカとのやりとりと自分の手で削除するまでだったのではないかと思う
 単なる攻略対象であったはずのキャラクターが全く違う側面を見せ、明確に壁で分けられていたはずのキャラクターが現実世界の自分に語りかけてくる。プレイヤーは怖くなったり、あるいは滑稽に思ったりするかもしれない。とにかく何かしらその行動に反応した後、自分の手で終わらせる。モニカは散々に悪態をつき、それでも許してと反省して、ニューゲームが始まり、そしてエンディングとなる。そして、その反応まで含めて全部ゲームなんだとこの時はっきり自覚する。何十回やろうとモニカの目論見は成功しないし、何度読み直そうと展開は一切変わらないし、あるいは放置し続けてモニカの話題がループした時、あぁこれゲームなんだなとじんわりと思う。その時にちょっと寂しくなる。なんだ、あんなに語り掛けてこちら側に食い込んできたと思ったのに、そういえばこれゲームだったわと。ゲームと自覚してそれを変えるべく暴走したモニカすらすべて既定の動作であるとわかった時、あるいはトゥルーエンディングで制作者からの手紙を読んだ時が、このゲームを本当にクリアした時だと思う 
 こういうと皮肉だけど、それでもゲームとしてはとても面白かった。ゲーム内でいくら怖いことをやっても所詮ゲームだけど、それがシステムといったゲームの外の部分に食い込み、浸食してくる混乱は新鮮で、それを効果的に見せる演出が秀逸だった。オチを知ってからだと驚きはないだろうけど、それでも何かしら感じるものはあると思う
 惜しむらくはメモをまとめてからこうして書くまでにかなり時間を空けてしまったこと。当時の記憶、余韻や感動などが新鮮な時に書けば、もっとたくさん書きたいことが浮かんできたと思う。特に2週目ユリルートのメモはプレイ中の驚きや混乱をそのまま書きなぐったので、再構成してる間にもこれどういう意味で書いたんだっけって文章がたくさん出てきてもったいないことした
 最後にこのゲーム全否定するようなことを書いてしまうなら、4人を、特にナツキを攻略できるDDLCを遊んでみたい