四季折々

体験した作品の備忘録

ペーパー・ムーン

 古めかしい音楽とともにスタッフロールが流れて始まり…白黒!?白黒映画なんて七人の侍ぐらいしか知らないよ…と思ったら、流石に撮影当時はカラーだったけど作中設定に合わせてあえて白黒にしたのだとか。なるほどなー。字幕すら古めかしいからそんなに昔の作品だったのかと勘違いしちゃった

 主人公は聖書を売り歩くちんけな詐欺師で、昔バーでかかわった女性が死んだと知って葬式に立ち会ったところ、その人の娘を叔母のところまで連れて行くように頼まれるというスタート。この娘が年のわりに随分冷めた目で世間を知ってて頭がいい。娘を使って200ドルを他人からだまし取った主人公が車を整備して余ったお金で電車で叔母の家まで行けるようチケットを購入し、待ち時間に喫茶店に入るのだけど、自分を使ってだまし取った200ドルは自分の物だと主張し、あえて衆目を集めるように金を返せとわめきたてると、主人公はいらいらしてテーブルを叩き反論ととんでもなく険悪な空気になり、最終的に叔母の家まで車で送り届ける道中で200ドル回収する運びに。その前に何回か主人公が自分の父親でないかと聞いてるので、自分が叔母以外身寄りのないと認めたくないないし自分の父親と確かめたいの一心で無理やり同行したように見える

 しかしそんな口論した後無理やりついてきたら主人公からすれば邪魔者であり、私の事嫌いなんでしょと聞かれてああ嫌いだよと即答するなどとんでもなく嫌な雰囲気に。宿に泊まって娘が煙草を吸ってるシーンも火事になるから子供が寝床でタバコを吸うなとしかりつけたりラジオを消せだのととにかくとげとげしい。まぁ子供が煙草を吸うなはその通り…というか本当に吸ってるんだけど当時は演技のためなら許されたんですかね…

 そんな関係に転機が訪れたのはある家で主人公の詐欺が発覚しそうになった際、とっさに顔を出し上手くサポートしたことで、一緒に上手くやったという達成感?あるいは共犯という仲間意識からか珍しく笑顔になる二人。そこからは主人公主導で様々な詐欺を仕掛けて金を稼いでいく。しかし貧乏人からは金をとらず金持ちからは破格のふっかけをする娘に値段は俺が決める、こんな法外な値段言ったらすぐにつかまると再びガチ口論。それでも主人公が女性と酒を飲んで帰ってきた夜には隠れてネックレスをつけたり香水をびちゃびちゃつけてみたりと捨てられないよう努力する姿がなんとも滑稽で涙ぐましい。子供とは思えない聡明さと年相応の感情

 そんな二人の道中に異物が混入する。主人公が祭りでストリップを魅せてたダンサーを送り届けることを申し出て、その付き人含めた4人の道中になることに。一緒に写真撮る予定をすっぽかしてまで何度も通ってただけでも腹立たしいものをそのダンサーが同行すると聞き自分の居場所がなくなると焦った娘が反発するも、ダンサーを嫌っている付き人と意気投合したり自分が娘に疎まれていると理解したダンサーにしばらく置いてちょうだいなと本音で語り合ったり案外悪くない関係になれそうな気が。まぁせっせと稼いだ金をアホみたいに服や車につぎ込むようそそのかしてるところ見たら腹も立つだろうけど…。個人的にはいちいち度を超えた皮肉を混ぜたりあてつけのように荷物を乱暴に叩きこむ付き人はギャグとして面白くてすきだった

 そんな4人の旅が終わるのはとあるホテルに泊まった際の事で、受付係がダンサーに見とれていることに気づいた娘が周囲の人間全員巻き込んだ策略を考案して見事ダンサーを追放することに成功する。癇癪で追い出すんじゃなくて他人を動かして主人公に追い出させるよう仕向けるのが末恐ろしいよ…。雨の中2人になった車内で主人公が男を騙す女になるなよって娘に言い聞かせるのがまた

 終盤になりとある町で酒の密売人を騙した2人は保安官に追われることになる。というのもこの保安官、密売人の兄弟だったのだ。うーん悪徳。金はどこに隠したと尋問されるも娘が捕まる前にとっさの機転でニット帽子に挟み込んでいたので見つからない。とっさの機転の利き方がすごい。しかも中を検めるためにぐちゃぐちゃに散らかされた荷物を片付ける際に車の鍵を見つけてこっそり持ち帰るなど冷静沈着。トイレ行く振りをして逃げだし、カーチェイスの末何とか逃亡するも、後日隣町で発見されて結局有り金全て巻き上げられてボコボコにされる主人公。当時の法律だと町が変われば逮捕は出来ないのね

 そしてラスト、有り金もなくなった主人公はせめて約束だけでも果たそうと叔母の家まで娘を連れていく。問答の末結局叔母の家を訪ねた娘は、主人公と一緒にいるときに空想していたピアノやジュースのある穏やかな家に迎え入れられるも浮かない表情。一方主人公も1人になった車内でボーっとしていると隣の席に何かが置いてあるのに気づく。中を見るといつか娘が一緒に撮ろうとせがんだ場所での写真が入っていた。ジャケットだと2人で写ってるけど結局作中では一緒に撮らなかったな。写真を眺めていた主人公の耳にふと何か聞こえてきて振り向くと、娘が走ってきていた。これ以上一緒にいるのはごめんだと言っただろうと仕掛ける主人公にまだ200ドル返してもらってないとぶつける娘。有り金巻き上げられた主人公が返せるわけもなく、にらみ合いの末に帽子を地面に叩きつけ認める主人公。2人はブレーキがろくに効かないおんぼろが勝手に走り出したのを見て慌てて乗り込み、どこまでも続く一本道へ姿を消すのだった

 映像特典で監督が普遍的なテーマを扱っていつの時代に見ても楽しめる作品と言うだけあって今見ても面白かった。道中でのやり取りや行動がコメディとして面白く、二人の関係の変化がロードムービーとして面白い。主人公と娘の年齢差を感じさせないやり取りはもちろん、道中で騙してきた人々や付き人にダンサーと、関わる人々との物語もまた大事な要素で、2人を主軸にしつつその他を添え物で終わらせなかった。結局主人公が父親なのかどうかは最後までわからないままだけど、冒頭で流れたIt's only a paper moonの語る通り、認識が大事であって、血がつながっているかどうかなんて些末な問題なんだろう

 

 

ソナチネ

 一風変わったヤクザ映画として噂のこの作品、ふと手に取るきっかけがあったので視聴

 そもそもヤクザ映画自体見たことがないので王道を外れたと言われてもピンとこないので十全に体験できたとは言えないけど、作品自体はめちゃくちゃすごかった。最初から最後までいつ弾けるかわからない緊張がずーっと続いてて、息をつく間もないとはこのことだと思った

 作品のあらすじとしては親分の兄弟分を支援するために沖縄のある組の応援に送り込まれた主人公とその手下が、近々手打ちになると聞かされていたのに猛攻を受けて隠れ家へ逃れ、今後どうしようか…と息をひそめるというもので、想像していたような銃を使ったドンパチは最初と最後の10分にやった程度。じゃあ中盤は何をしているかというと相撲取ったり踊ったり遊んで時間をつぶしている

 ここだけ聞くとのんびりしているように見えるけどとんでもない、手伝いに来たのに何もできず逃げ隠れして、出来ることが何もないから遊んでとにかく時間を潰す、その時間を潰している間すらいつ襲われるかわからない緊張。この作品はいつ何をしていても次の瞬間死人が出るんじゃないかという緊迫感が一貫して存在する。組長格のおっさん二人が浜辺に落とし穴を掘って部下をひっかけて遊んだ夜に同じ場所で女が強姦されて加害者を射殺し、フリスビーを投げて遊んでいるところをヒットマンが射殺し、たまたま死角にいた主人公と連れは目の前に仲間の死体が出来上がっても身じろぎ一つ、声一つ出せずじっとこらえなければいけない。張り詰めた静と動の切り替えが劇的で視聴者もだらだらと見られるシーンがない。最終盤、エレベーターに乗り込んで探していた人間と邂逅するシーンなんか息苦しくなるほど張り詰めていて恐ろしかった

 そもそも大の大人が、ましてヤクザが暇つぶしに遊んでいるシーン自体がもう何とも言えないユーモアとやるせなさでいっぱいになっている。そしてこのやるせなさというのがまたこの作品全編を通して主人公に付きまとう

 主人公はヤクザなんてやめたくなっちまったなと沖縄へ行く前からぼやくほどうんざりしていた。それでも親分のいうことだからといやいやながら従えば、これは裏で親分と抗争相手の親分とで組んだ策略であり、組長もろとも邪魔な組を消し去るついでに主人公のシノギを奪ってしまおうという利益だけのために切り捨てられたのだと終盤発覚する。作中の描写から主人公はどこか狂った異常者のように描かれているが、事情だけ並べればただただ一方的に使い捨てられる被害者なのだ

 最後、主人公は自分を陥れたものをことごとく殺した後、連れの女が待つ隠れ家の近くまで帰るも、結局途中で車を止め自殺してしまう。このラストは何のセリフもモノローグもないので受け止め方が色々あるのだろうけど、個人的には何もかもなくして疲れ切った、あるいはもういいやとうんざりしたのかなと思っている。仁義もへったくれもなく利益最優先の親分に振り回され、その親分すら殺し、ヤクザ=自分そのものが疎ましくなったのかもしれない

 演出といえば音楽もまた素晴らしく、全体的にとにかく静かで主張しないが、特徴的なメインテーマを遊んでいるシーンで使ったり人が死ぬシーンでのどかな三味線を鳴らしたり、ここぞという印象の与え方が上手かった

 総じて、仁義や兄弟分だなんて熱い言葉の下行うドンパチではなく、最初から最後まで冷たく息苦しい殺しあいの作品だった。気を抜けるシーンがないので、視聴するには集中力と体力が十分に必要だ

 

DDLC DokiDoki Literature Club!

 

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 プレイヤーが自殺したという話題でツイッターを賑やかしたのをきっかけにプレイ。なるべくネタバレを見る前に遊ぼうと極力ツイッターを避けつつ一気に遊んだ気がする
 当初はホラー描写、異常な展開が話題の主流だった気がするけど、遊んでみるとそこはエンディングに至るまでの一部であって、このゲームの一番主張したい部分はそのあとのモニカとのやりとりと自分の手で削除するまでだったのではないかと思う
 単なる攻略対象であったはずのキャラクターが全く違う側面を見せ、明確に壁で分けられていたはずのキャラクターが現実世界の自分に語りかけてくる。プレイヤーは怖くなったり、あるいは滑稽に思ったりするかもしれない。とにかく何かしらその行動に反応した後、自分の手で終わらせる。モニカは散々に悪態をつき、それでも許してと反省して、ニューゲームが始まり、そしてエンディングとなる。そして、その反応まで含めて全部ゲームなんだとこの時はっきり自覚する。何十回やろうとモニカの目論見は成功しないし、何度読み直そうと展開は一切変わらないし、あるいは放置し続けてモニカの話題がループした時、あぁこれゲームなんだなとじんわりと思う。その時にちょっと寂しくなる。なんだ、あんなに語り掛けてこちら側に食い込んできたと思ったのに、そういえばこれゲームだったわと。ゲームと自覚してそれを変えるべく暴走したモニカすらすべて既定の動作であるとわかった時、あるいはトゥルーエンディングで制作者からの手紙を読んだ時が、このゲームを本当にクリアした時だと思う 
 こういうと皮肉だけど、それでもゲームとしてはとても面白かった。ゲーム内でいくら怖いことをやっても所詮ゲームだけど、それがシステムといったゲームの外の部分に食い込み、浸食してくる混乱は新鮮で、それを効果的に見せる演出が秀逸だった。オチを知ってからだと驚きはないだろうけど、それでも何かしら感じるものはあると思う
 惜しむらくはメモをまとめてからこうして書くまでにかなり時間を空けてしまったこと。当時の記憶、余韻や感動などが新鮮な時に書けば、もっとたくさん書きたいことが浮かんできたと思う。特に2週目ユリルートのメモはプレイ中の驚きや混乱をそのまま書きなぐったので、再構成してる間にもこれどういう意味で書いたんだっけって文章がたくさん出てきてもったいないことした
 最後にこのゲーム全否定するようなことを書いてしまうなら、4人を、特にナツキを攻略できるDDLCを遊んでみたい

DDLC DokiDoki Literature Club! TrueEnd+extra

 

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 モニカだけ消えたタイトル画面でスタート。削除してしまったんだな…
 時間通りに起きられるサヨリ。久々にサヨリみるとほっとする
 サヨリに促されたり、モニカに勧誘されてではなく、自分の意思で部活なんて面倒という言葉を封じ、文芸部へ向かう主人公。今までよりずっと男前だぞ
 ユリとモニカのぎこちないけど穏やかな会話がやっと友達になれるんだなって思って、ほんとよかった
 「部活に入るのは最初から分かってたんだ、皆と沢山の時間を過ごしてくれてありがとう。」これサヨリさんも記憶残ってますね…?「部長になった今わかるんだ。このゲームの内容を何一つ見落としたくなかったんだよね?」モニカ限定じゃなくて部長特権だったのこれ!?
 ノーマルエンドだとサヨリが闇落ちしたのをモニカの残留思念的なのが最後の力で退けて、your realityを歌って終わるらしいけど、トゥルーではそんなことはなく、サヨリがここまで本当にありがとう、皆あなたのことが大好きだよ、みたいなことを言って終了
ここでモニカの肉声でおったまげてヘッドホン外してつけ直してモニカの声だと再確認。モニカの歌声とともにエンディング。CGを眺める。your realityは本当に切なくも素晴らしい曲で、モニカが今までピアノ練習してたのもこのためだったんだなって思うと、やっぱり切ない
 エンディングをやや涙ぐみながら見ると、製作者からの手紙が表示される。どのような考えをもって、何を考えてほしくてこのゲームを作ったかが真摯に書かれていて、美少女キャラをただただ浪費していた身としては耳が痛い。その後エラーを起こし、再インストールを促される。あとは何度起動しようとも2度と遊ぶことは出来ない。や、初期化すれば遊べるんだけど、何か無粋な気がして…

extra
その他、特別な詩やバッドエンディングなど
 モニカと二人きりの空間に入る前にmonikaを消してからニューゲームすると、サヨリが混乱しながら騒いだのち、強制終了。もう一度起動すると暗転画面からENDが表示され、ざらついた画面にサヨリの首つり死体がぶらさがっている
しばらく放置するとうっすらと「これでみんな幸せになれる」の文字。これは1週目で自殺したサヨリの心境?こんなエンディングどうやって見つけたんだ
 特別な詩
1.詩というよりは日記?自傷行為を試したときの感想と血の跡。2度とやらないと言っているから、ユリではない様子。2人きりの世界での告白により、モニカが1回試してみたとのこと
2.4人でテレビを見る夢 誰視点だろうか…
3.パパの好きなところ 作中でパパの話してたのナツキだけだし、多分ナツキの詩。前半はこんなところが好きと明るい内容だけど、後半はこうしないパパがすきとなり、最終的にパパが何もかもに疲れているときが好き、となる。実際の父親はまるで正反対の冷たく厳しい、虐待めいた教育をする存在だったんだろう。可哀想なナツキ…
 特別な詩はまだまだあるみたいだけど、確認できず
サヨリへの2択の返事で、大切な親友だを選んでみた。まぁどっちにしろ結末は変わらないだろうな
 お前のことは俺が一番理解してる、お前が必要なものは俺が知っている。俺を信じてくれ。どうすればお前が幸せになるかわかってるから。わかってる、主人公が正しいと痛々しく微笑みながらも、うずくまり大声で悲鳴を上げるサヨリ
自分の事なんか無視して皆と仲良くなり、幸せになってほしいと思い、その通りに行動したのに、胸をグサっと刺されたような痛み。この道に幸福なんてないってわかってた
 この後は同じく首つり。確かに、このゲームに幸福なんてなかった

DDLC DokiDoki Literature Club! Monika 

 

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 2週目までは不気味で怖いキャラだったけど、しんみりしてしまった

 モニカ
 作中ただ一人自我があり、この世界が虚構であると認識してしまい、画面越しのプレイヤーを唯一のつながりとして求める。改変削除と強力な権限を持っているが、自分のルートを作る、最初から他キャラ全てをなかったことにして違和感を認識させないといったレベルの事は出来ない様子

 ユリとナツキを削除した後、窓の外に宇宙が広がる、誰一人いない教室でおきまりのセリフを途中でやめ、主人公ではなくプレイヤーに話しかけるモニカ。PC内の何かを参照する仕組みになっているんだろうけど、本名呼ばれて本気でビビった。
 しばらく独白した後主人公へ告白。一択選択肢を終え、互いに詩を書くことに。モニだのモだのモニカだのといった選択肢から詩を書く。詩にならんだろこれ!モニカから詩のお返し。ハッピーエンド。まぁモニカからしたらハッピーエンドだ
 後は見つめ合っておしゃべりしましょうと言われ、なにも選択肢がない。ただ話しかけられるのを待つだけ。キャラ削除についてやたら詳しく説明していたので、一応wikiで確かめたらやっぱりモニカを削除するようにとのこと。うーん、やってることはひどいことなんだけど、まわりが虚構、ゲームの世界であると知ってしまい、自分は主人公とは結ばれない存在だとわかってしまったら、出来ることは何でも試してしまうのかも。極端な話、モニカがやってることって現実世界の人間がゲームのキャラを攻略したり殺したりと何も変わらないわけだし。そう思うと自我ある相手を削除ってひどいことなんじゃないか…?と本気で思っていた。完全にこのゲームに呑まれてる
 モニカ曰く、たとえ自分のルートがあろうと結局同じように二人だけの世界を作ったとのこと。虚構の世界であると気付いてしまったのがすべての原因
 削除するのが忍びなく、しばらく放置して雑談に付き合う。思ったより話題がループしない。うつ病患者への対応の仕方とか
 一心に主人公を思うモニカ。最初に言ってたことはプレイヤー自身への言葉なんだけど、そのあとは主人公を呼んだりプレイヤー呼んだりとごっちゃになる
 モニカもただのキャラクターでいられたらよかったのに。このエンディングを迎えた本人は嫌がるだろうけど
 創作について恐ろしくまじめなアドバイスをもらってしまったあたりで、キリがなさそうなのでファイル削除へ。やりづらい…。ファイルを削除されたことに怒り、主人公に反吐が出るとまで言ったモニカだけど、それでもやっぱり好きなのと言い、反省しだす
 最後に、本当は文芸部の誰も削除してません。友達だし、みんな大好きだし、文芸部も好きだしと告白して終了

 心情を聞いてみると、モニカがやってきたことってそんなに悪いことだったのかなと思ってしまう。サヨリを自殺に追い込んだり、2週目は自分にだけ目が向くよう他キャラを異常にしたり、システムに干渉したりとかなり強引だったけど、そうまでして実際の人間を求めてしまう気持ちは察することができるので、少なくともモニカこわいという気持ちはさっぱりなくなった

 モニカの詩
 モニカの真相を知るまでは何言ってるか全くわからないが、後から読み返すとあぁそういう意味ねとおおむねわかる
 
1.Hole in Wall
 壁の穴をのぞき込んだら彼がこちらを見ていた。壁とは現実とフィクションの壁。何かしらの理由で現実を認識してしまい、プレイヤーに気付いた
1(2週目).Hole in Wall(2)
 1週目の続き。プレイヤーがこちらを見てない(モニカは攻略対象じゃない)ことに気付いたモニカは何か方法はないかと探し始める
2.Save Me
 セーブして、ロードして。自身を取り巻く無意味な色や雑音、そして詩。すべて作り物であると知っているモニカからのsaveのダブルミーニング。最後のload meは、トゥルーエンドに入るのはいったんロードを使わないといけないことのヒントらしい
2(2週目).Save me(2)
 1週目の詩が虫食いのように文字が消えている。最後の一文はload meではなくdelete herになっている。後のヒント
3.The Lady who Knows Everything
 前二作と違い、どこか伝奇かファンタジーのような詩。mtgフレーバーテキストのようでもある。モニカの設定を踏まえて読むと、周りが虚構だと知ってしまい、それを壊したいと思って探してみたけど、何もかも無駄に終わってしまったということか
4.Happy End
 他キャラをすべて消して、プレイヤーと永遠に二人きりという結果を作り出せたことについての歓喜の詩

DDLC DokiDoki Literature Club! Yuriルート

 

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 実はやべーやつ以外印象がない。2週目は半ばモニカの話でもあるのでなおさら

 ユリ
 黒髪ロング巨乳引っ込み思案ヤンデレアヘ顔自傷癖のやべーやつ。属性がうるさすぎる。1週目は素直に可愛いキャラなんだと思う
 
 2週目
 文字化けしたニューゲームを選択。1週目と同じ始まり方をするが、サヨリの名前、立ち絵がバグを起こし、フリーズ、暗転した後再びシナリオが始まる。主人公のモノローグから、サヨリの存在が抹消されている様子。サヨリがいないから当然文芸部へ行く理由もないんだけど、一瞬バグった立ち絵のモニカが声をかけてきて部室へ。またバグった立ち絵とノイズ。こわい。そんなそぶり一切見せなかったのにいつの間に主人公に惚れてたのこの人
 1週目ではユリがホラーを読むと行ったことに対し「意外」と評してたのが、2週目だとぴったりと言っている(何の意味がある変更かわからない)。えへへへ~とサユリみたいなことを言うモニカこわい。なんだかんだ文芸部には入ることに
 詩を書いて部室へ行くと、3人に出迎えられる。でもなんでユリとナツキまで表示バグったり立ち絵ずれてるんだ…?サユリの次はこの二人が消されてしまうのか…?とか思ってたらモニカまでセリフより前に立ち絵出してきたりとだいぶしっちゃかめっちゃかに。ユリと会話してるときは大丈夫かなと思ったらいきなりフォント変えてきたり「世界は醜い人で溢れていて、どうせ私たちみんな価値はありませんから」とか言ってきたり、こつこつと精神削ってきやがる。この割り込み方と2人の反応から見るに、モニカが介入している様子。そうか、ユリといい感じになってきたから邪魔してきてるのか…
 2週目ということで文章スキップしてたら行き過ぎたのでヒストリー開いたら一瞬モニカの立ち絵が写って、もう一回開いたら写らなくて、いやちょっとこれ本当に怖い
 2日目のどっちの詩が主人公は好みかというユリとナツキの論争もサユリがいないとかなりエスカレート。相手の人格や趣味まで中傷し始めてちょっとまずいんじゃないのとか思ってたら、BGMと画面がだんだんおかしくなりはじめて、どちらかを選ぶ選択肢も何度クリックしても画面が拡大されるだけ。連打して目いっぱい近づいた後のモニカの顔面ドアップでのけぞってしまった。セリフに覆いかぶさってまで外へ出ようと提案するモニカ。というかこの子システム面に干渉しすぎでは…
 ナツキが泣きながら外へ出た後、ユリも帰っていいと言うモニカに対し、主人公と本について語り合いたいと言い返すユリ。ため息をついた後私に選択肢はないようねとモニカが愚痴ると同時に画面がバグり、詩を書くパートに
ナツキに対して昨日はごめんなさいというユリに対し、昨日?何のこと?と返すナツキ  「明日になれば完全に忘れているから」
 水汲みから帰ってくるのが遅いユリを探しに行くと、左腕に無数の切り傷をつけたユリの姿。高速で時間が巻き戻り、気が付くとユリも主人公も何事もなかったかのように話を再開。水汲みが終わった。文字にすると意味不明だけどプレイ中も意味不明だったな
 ユリと2人ならんで本を読んでいるとき、戯れに主人公がチョコを口元にもっていって食べさせると、ユリの様子が急変。クローゼットへ連れ込み、瞳孔開いたおっそろしい目つきで主人公を舐めるようにじろじろと見続けた。黒目がぎょろぎょろ動いてて今までのモニカの演出よりはるかに怖かった。1週目なら可愛らしいことしてたんだろうな
 ユリ、ナツキと順番に詩を見た後、モニカを選ぶと、いきなり巻き戻して見なかったことになったはずの自傷癖について語りだす。私は精神的にはまともだし…ってもう誰がまともなのかわからなかったよ。文化祭はナツキが居心地のいい場所を壊したくないと反対。主人公には選択肢ないものねとモニカは座り込み、ユリに尋ねると「あんな目障りなクソガキどうでもいいでしょ」と黒フォントで言った後何事もなく続ける。日常の中にいきなりバグやホラー描写織り交ぜて何事もなく日常に戻るのが精神的に非常にきつい。ユリさん右目から血出てますよ
 「時々ここではあなたと私だけが実在の人物だと思うことがあるわ」モニカさんだけ作中キャラと目線違う。こちらに話しかけてくるモニカを遮り、画面は暗転。主人公くんとあなたを使い分けている辺り、この語りかけは実際のプレイヤーへ向けたものなのだろう。メタ的な目線を持てる作中キャラ的な
 詩を書く画面まで介入とバグが現れてあぁ逃れられない!画面外でモニカがはねるのが怖すぎる
 昨日の態度は悪かったと謝るナツキに暴言で返すユリ。涙ぐんで走り去るナツキ。かわいそう。ナツキは2週目の貴重な良心。続いてモニカを今日やることは決まっているからと追い返すユリ。その後お茶を入れましょうと、またも読ませる気のない高速文章から、突然廊下で会話が始まる。うん、ユリも負けず劣らずぶっ飛んでんな。必死の語り掛けを行うユリの立ち絵からうっすら入れ替わるように浮かび上がるモニカ。もう勘弁して
何か言われるかと思ったら詩を見せるパートに。ナツキも何事もなかったかのように選択肢に。ユリの暴走をキャンセルして日常に戻したってこと?
 ナツキから渡されたあの二人おかしいよというメッセージを読み終えると、黒フォントのセリフが始まる。「Just Monika!」貴重な良心のナツキが乗っ取られてしまった上に、1つしかない選択肢なんて用意し始める「Ok!」
 タイトルコールまで戻されて何度もモニカだけを見せる念入りさで一瞬笑ったけど、何事もなく詩を見せ合う場面に。ユリを選択すると、詩を持ち帰りたいといい、また黒フォントに。異常と異常で被ってしまった。ユリの詩を見せてもらうも、全く読めない。意味が分からないとかじゃなく、どこの国の文字だって言うレベルの読めない。しかも血やらなんやらで汚れてる。次に進むとガンギマリフェイスのユリが解説してくれそうになるが、文字化けしたのち吐きそうと言いながら退場する。こっちのセリフじゃ
 次にモニカを選択。主人公の詩はユリに持ってかれてしまったので、モニカの詩を見ることに。忠告したからね、の一文の後に、はい/いいえだけの選択肢が。どっち選んでもこわいけど、ここはおとなしく従っておこう…。特別な詩を見た
 誰を手伝うか選ぶパートに。気が休まりそうなナツキにしようかと思ったらマウスが結構な勢いでモニカに向かっていってビビった。怖いので従うも、モニカを選んだのにユリが二人を追い出して、怖いこと言いながら告白してきた。で、怖いからいいえをしたら、自殺されました…。自殺後の文字化け部分でヒストリー読んだら怖すぎてしばらくうなだれてゲーム画面見られなかった。文字化け部分なげぇなと思いながらオート放置してたらだんだんCGが変化していく。頬がやつれたり血が黒くなったり。何日放置されてんだ…と思ったら、モニカのセリフからして週末の間2人きりだったらしい。ゲロゲロ。放置してたら週明けにナツキが顔出した瞬間ゲロ吐きながら退場。そのあと現れたモニカがコンパイルがどうとか言いながらナツキとユリのファイルを削除
 なんというか、2週目だからか、ユリルートというよりDDLC本編って感じ。魅力的なキャラだったのだろうに惜しいことをした気もする

 ユリの詩
 全体的に何言ってるかさっぱりわからない。自信をもって読めた詩が一つもない。いろんな人の解釈読んでても全然違うこと言ってたりお手上げだったりするので、おおむねこの詩はこうだろうという主流な解釈を参考にする。文学的には美しい表現なのかもしれない
1.Ghost Under the Light
 無機質で冷徹な色調の電灯に取って代わられる温かみのある街灯の詩…?初っ端から解釈が十人十色の難しい詩。1つ目だしいきなりぶっ飛んだことは書いてないと思う
2.The Raccoon
 そのまんま読むならアライグマに餌付けする詩かなと思ってた。ユリ曰く変わった趣味に没頭するときの自分を表現しているらしいので、自傷癖の時の興奮について
2(2週目).Wheel
 単語と短文の羅列。意味不明というか、意味があるのかすら怪しい。内容なんてどうでもよくて、拾った主人公のペンでひたすら思うままに描いたものらしい
3(他ルート).Beach
 砂浜を題材にした詩。ナツキと二人で同じものについて書いた。ぜんぜんわからん…けど前2つよりは柔らかで、希望を感じるような気がする
3(2週目).読めない
 もはや何語か、というか言語なのかわからないインクの染みと血と何かで汚れた紙。なんだこれ
 

DDLC DokiDoki Literature Club! Sayoriルート

 

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 1週目(2人目)何故かサヨリルートだけ前半の内容をほとんどメモを残していなかった

 サヨリ
 主人公の幼馴染。明るく主人公を引っ張る快活な女の子。碌に友達もいなく部活に入る気もない主人公を心配して文芸部に誘う。ナツキルートで判明した通り、いつからかうつ病にかかる
 
 サヨリあての詩を書くと最初は喜ぶも、4日目にはほかの子を見てほしいと泣き出してしまう。そもそも文芸部に誘った理由が自分なんか放って他の子と仲良くなってほしいだったので納得のリアクション
 メモによるとなぜか学園祭の準備はユリと行ったらしい。多分CG回収のなんかだろう。ナツキ同様準備終了後いい感じの空気になっているところを見られてしまい、同じように会話開始。やっぱりサヨリは主人公のことが好きでどうしようもないのだと悲痛に叫ぶ。「私がここにいなければ主人公も私に同情せずに済んだのに!」「私の我儘に突き合わせることも無かったのに!」「モニカちゃんが正しかった」なんでここでモニカが…。しかしそれを受けて主人公も俺も好きだと返す。これにてハッピーエンドかと思いきや、お互いに違和感をぬぐえない二人。好きあってるはずなのに気持ちが通じない。これが正しいのかわからないけど主人公の言うことだから信じたい。なんか不穏だな…
 学園祭当日、姿を現さないサヨリ。訪ねるのはやり過ぎかと学校へ行くと、モニカしかいない。いやどう考えてもここは行くべきだろ。前日のやり取りをすっかり知っているかのようなモニカに違和感と恐れを覚える主人公。プレイヤーもこのあたりからモニカだけ異質じゃない?と思い始めるころ。パンフレットを見ない?というモニカに促されて手に取る主人公の前に、3つ目のサヨリの詩があらわれる。遺書とも思えるような内容の詩が、なぜかパンフレットに書いてあることに混乱する主人公。詩を見せた後も何にも変わらない態度で接するモニカが怖すぎる
 学校を後にし、サヨリの家に駆け付ける主人公、返事がなく扉を開けると、首つりをしたサヨリの姿が。背景が一瞬バグったようにエラー対処文や立ち絵が表示される。BGM狂ってるのが怖い怖い
 END画面の後にスタート画面に戻ると、サヨリの立ち絵部分が他キャラの立ち絵を分解して再結合したような姿になっていてのけぞった
 ここからDDLC本編スタートみたいなゲームなので恐れ入る。サヨリは最初は本当にベタベタな幼馴染って感じだったので後半本当の部分が出てくると悲しくなってしまった

 サヨリの詩
1.Dear Sunshine
 素直に読むなら眠い朝の詩。まだ出たくないけど陽の光で目覚めて一日が始まる。ただ、多分ここでの太陽=主人公で、主人公がいてくれるからなんとか眠ったままじゃない(生きていられる)ってことかな。うつ病を患う彼女にとって朝起きること、一日を始めることはとても苦痛だけど、主人公のためなら動きだせる、生きていられる
2.Bottles
 私の中の幸せ、夢を残さず友達にあげてしまった詩。直球に暗い。夢や幸せといった明るい感情を、友達にあげてしまったという。私の中の幸せのコレクションが友達の輪を広げた→友達の前では常に明るく陽気な自分を演じ続けないといけなくて、その結果うつ病になってしまったのか。自分の幸せや夢を犠牲にしてまで友達に捧げてしまった。求められる自分と本当の自分の乖離
3.%
 わたしのあたまからでていけ。延々と繰り返されるフレーズ。あなたにとって一番の事をしてしまう前に、あの子に言われたことを全部聞いてしまう前に、あなたへの愛を見せてしまう前に、この詩を書き終えてしまう前に私の頭から出ていけ。だけど詩に本当の終りなんてない。動きを止めるだけ。モニカに散々いじりまわされ、吹き込まれて錯乱してしまったサヨリの遺書のようなもの。主人公は自分なんかじゃなくて他の子と仲良くなるべきで、そのためには自分なんかいない方がいいと思った(あるいは思わされた)