四季折々

体験した作品の備忘録

PP -ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞

 かなーり前に頂いて以来ずっと起動せずに放置してたピアニッシモ、えいやと気合を入れて一気に攻略でございます。前情報通り暗くて重くて救いのない展開の連続だったけど、無事オールクリア
 共通ルートの感想としては主人公のセリフで「――ハッ」が多すぎて犬かなと揶揄したくなったのと、お尋ね者になった手前中盤から家にひたすら引きこもる展開になってしまったのがちょっと代わり映えしないなと。後連続発生してる狂人殺人事件の真相もまぁそうなるかといった具合。催眠の話が出たあたりからだいたい予想できたけど、綾音殺害の真相は悪い意味で予想を裏切られた。誰かが殺したなんて横で寝てるのに気づかないわけがねぇからの実は葵がこっそり忍び込んでばれないよう殺して帰りましたってのはどうなのさ
 こう書くと悪い点ばかりなようだが、途中で投げずにクリアできた辺りそれでも面白い話だった。後BGMがいい。OPEDが素晴らしい曲なのは知ってたけど、プレイ中流れるすべての曲がいい曲だなぁと感心した。メインヒロインの綾音が明るい清涼剤なのも救い。綾音ルート以外の全てで中盤死ぬけど
 千花ルート:唐突に抱いてそのまま二人で逃亡エンド。結局千花が奏介を恐れていたような描写が本当に恐れてたのかすらよくわからなかった。サブヒロインとはいえもうちょっと描写あっても良かったのでは
 璃宝ルート:同じく逃亡エンド。千花よりは描写も充実していた。この2ルートは真相に一切触れずに逃げ出すある意味現実的?なルート
 柚芭ルート:なんでバッドエンドで主人公殺されたの…?といまだに疑問。護堂さんがいきなり家入り込んで肉欲におぼれたか、哀れな…とか言いながら主人公を殺害。そっとしといたれよ…。正規エンドでは兄妹の一線を越えずに穏やかな家族として日常に戻る。これは綾音ルートの次に好きな終わり方
 美華夏ルート:バッドエンドでは葵の手下に輪姦されそのまま死亡。怒り狂った奏介が葵を文字通り噛み殺し、そこにふらっと現れた護堂さんが奏介を殺害。なんで主人公殺されたの…?というか事務所跡訪ねた時もバッドエンドルートだと殺されるし、なんで護堂さんが主人公殺すのか全然わからないままだった。気を取り直して正規エンドルート入るとここでも輪姦。そこは避けられないのね…バッドエンド複数あるのかと思ったよ。ただまぁ美華夏自体は良いキャラだったから好きなルートだった。良いキャラだっただけに避けられぬ輪姦シーンが飛ばしてもきっついんだけど
 久遠ルート:すべての元凶。逢禅寺が野望を持つ諸悪の根源ならこいつは興味本位からそれに手を貸した諸悪の根源の根源。文面に起こすなら有り余る才能に目をつけられて誘拐され、強制されて人を狂わせる機械を作ったという同情すべきキャラだが、実際は誘拐犯を迎え入れ、逡巡する誘拐犯に家を出るために発破をかけ、後顧の憂いを断つためにわざと物音を立てて両親を殺害させ、言われてみたものを作ってみたのも実際に人を狂わせる機械が作れるか試してみたかったから。奏介の演奏を機械に組み込めばさらに機能が向上すると判断するや否やこちら側に囲い込むために殺人の濡れ衣を着せて他に行き場がないよう追い詰めたりと、どう考えても敵役のマッドサイエンティストなのだが、攻略可能なヒロインである。綾音以外のキャラ攻略後に現れるコンダクタールートでは上記のストーリィを久遠目線で読めるのだが、自分より優れた双子の姉に対して自分は二人もいらないからと殺害を決意していたりと、まぁ異常者である。最後は奏介の子供を宿し、護堂と二人で国外逃亡。やり逃げダイナミック。それと一つだけわからなかったんだけど、序盤つぶやいていた「御巫久遠は量子化<クオンタイズ>されている…」って結局何が言いたかったんだ
 綾音ルート:上記の全てのルートで奏介と結ばれた翌朝に無残な死体となっている綾音だが、全ルート攻略後に綾音ルートが現れる。散々死体になってきた翌朝に何事もなく料理をして、目玉焼きに何かけるか論争している姿はもうそれだけでよかったな…となること請け合い。久遠になぜ生きているのか聞かれたり、奏介のナイフを見てかなり動揺していたり、奏介に殺される悪い夢の話を何度もしていたりと、他ルートの記憶引き継いでんのかといった描写が多いが、単なるメタ表現だろう。エピローグでももし奏介に殺されることがあってもそれは悪い夢、でも何事もなく一緒にいられるこっちが夢なのかもねと言ったり、どのルートがゲームの本ルートなのかはわからないが、まぁ綾音エンドが正史と思った方がおさまりがいいよね。どのルートでも最後は敵の本丸に乗り込み護堂が逢禅寺と対峙するのだけど、このルートではなぜか来ない。逢禅寺もなぜか奏介一行を殺すことも無く自害。どういうことだってばよ。でもまぁ、綾音が終始幸せそうにしているので、一番いいルートだったよ。何よりエンディングが最高。もともとこのゲームを知ったのがエンディングからだったから、ああこれで終わりだなぁとしんみりしてしまった
 こうして書き起こすとわからないことだらけだから、いつものように感想批評を探し回りますか