四季折々

体験した作品の備忘録

終わる世界とバースデイ

 最初設定を聞いたときは「そして明日の世界より」と同系統かと思ってたけど、ふたを開ければ全く違う内容だった

 どっちがいいというものでもないけど、こっちの方が好みが分かれそうな内容だったと思う。向こうはとりあえず現実的な世界で、その中を現実の人々がどう生きていくかという話だったし、出てくるキャラも終盤のモブ以外は読んでて疲れないキャラだったから読みやすく、最後も穏やかに綺麗に終わってた

 こっちは序盤からモブどもがうざいし共通パートでヒロインが惨殺されるし出てくるキャラは癖ばかりでbadエンドも豊富、世界の終わり方もめちゃくちゃで世界設定自体もかなり凝ってると、本当に真逆といってもいいし、周回するとしたら明日せかの方だと思う。個人的にはどちらもいい点が違うから比較するもんでもないと思うけど。

 しかしこのゲームの真価はEpilogue。荒唐無稽で難解な展開も全てはこのためにあったんじゃないかと思ってしまうようなラストシーンは本当に素晴らしく、ふと起動して体験したくなる。作中の人間が皆過去にとらわれている中、作られたイリだけは未来を見ていて、主人公にも未来を見てほしいといい、ハッピーバースデーと未来に進む主人公を祝福する。このシーンはもう綴り違いから始まって最後まで感動のしっぱなしだった。今まで誕生日なんて全く意識してこなかったけど、これからは大事にしようと思える作品だった