四季折々

体験した作品の備忘録

カルト(2)

 白石先生の次回作にご期待ください

 お前まだちょっと憑いてるぞ、とネオはいきなり真悠子の服をまくり上げ、背中に指を突き刺す。そして体内から黒みがかった謎の物体を取り出し叩き付ける。お経とか無しに除霊するとは、これは凄い霊能力ですね
 あなたの信仰するものは何ですか?という母親の質問に、俺は俺を信じる、神とか仏とか馬鹿馬鹿しいだろ?と吐き捨てるネオは、とりあえず家に向かおうと言う。母娘二人は危ないから置いてくけど、お前らは危なくてもいいだろ?との質問に、二人組は危ないのはちょっと…と口ごもる。が、場面変わると結局同行してる。ついてくるんかい。見上げたプロ根性だ
 家に到着し、見回った感想は「ふーんという感じ」というネオに、それじゃわかりませんよと突っ込む二人組。そりゃそうだが見回ってる時ぐらい集中させてやれよ。向こうから来るのを待つだけ、と結論付けたネオは、マリも来るんだって?という。マリを知ってるんですか?と返す二人組に俺ファンなんだよね、お前ら二人抜きでマリだけでよかったのにのたまう。てっきり霊力絡みでなんかあったのかと思った。というか写真持ち歩いてるんだ…
 11時過ぎ、2階から例の騒音がまた始まる。真悠子はもうやだ帰ると泣きだしあちこち逃走するも行く手を黒い影に阻まれ座り込む。ネオはあのバカ女、とキレつつ蝋燭を取り出し、左手の手袋をはずし蝋燭に翳し、アアアアアアアと力を込めると蝋燭の火が噴きあがり、黒い影は一瞬で消滅した。すげぇ!
 家の外に出たネオは、草むらの中から瓶に入った猫の足を見つけ出し、これが呪いの起爆装置だ、と断定。あの謎の男のポイ捨てにそんな意味があったのか…
 じゃあ爆弾はどこに?と聞く優に、お前探してみる?俺苦手なんだよねと返すネオ。目隠しされた優が何となくで指さした場所を探すと、四角い鉄のキューブ?のようなものが見つかる。これは強力だわ…とネオが独り言ち、これを仕掛けたやつがいる、と隣の家を指さすと、窓から一行を覗く2人組がいた。片方の女性は序盤で何度か映像止めて映してたから、隣の家も憑りつかれてるのかなと思ったけど、人間だったのか…
 隣の家に乗り込んだネオが白い服の女性の胸元をむき出しにすると、そこには雲水の盛り塩が吹き飛んだ痕と同じ形状の模様が浮き出ていた。呪詛返しされたくなかったら明日の朝までに出ていけとキューブから黒い触手を引きずり出しつつネオが恫喝すると、二人は怯えて何度も頷いた。ネオマジで最強だな
 翌日、隣の家族は早朝に出ていった。これで安全だから母娘呼び戻せとネオがいい、これにて一件落着の様子。しかし優はすごく嫌な予感がする…と思わずこぼし、俺が大丈夫って言ってんだから大丈夫なんだよ、二人とも怖がってるじゃねーかとネオがキレる。が、その後家を出るとネオは二人を先に行かせ、カメラ係だけ残す。言われた通りカメラつけたままですというカメラ係に対し、面白いもんが映ると思うよ返すネオ。解決したんじゃなかったのか…と思いながら見てると、玄関から家の中を覗き込み、不思議な動きをする男の姿が。そういやこいつ手付かずだった。不思議な動きに呼応するように母親がグネグネと動き出すと、玄関には隣の二人組を先頭に何人もの人がぞろぞろと集まり、男と同じ動きをする。すると母親はぐらぐら揺れながらベットに立ち上がり、後ろ向きに歩き出した。これ憑りつかれてた時の娘と同じ症状だ。そのまま娘の部屋に後ろ向きに入り、娘のベッドの横に向き直ると、毛布が勝手にずり下がり、母親の口から出た黒いモノが娘の口から体内に入り込んだ。娘は痙攣しながら苦しみだすが、母親は今度は前を向きながら退室する。いったい何がどうなってるんだ。毛布ずり下げた意味あったのか
 そのまま部屋に帰るのかと思いきや、母親は外に出て、列の先頭に立ち同じ動きをし始める。娘の口からは触手がまっすぐ突き出し始めた。もうわけがわからないよ…。しかし、そこにネオがふらっと登場。約束の呪詛返しどうぞと言いながらキューブから触手をだし、集団にけしかける。集団が苦しみながら散り散りに逃げていくと、娘の触手も引っ込み、母親もその場に倒れ込んだ
 が、そこでネオの体がぐらつく。目の前に現れたのはマリであった。いたなー…完全に忘れてた。ネオのピンチか?と思うも、手袋をはずし、ンンンンンンァァァァアアアアアアア!と唸るとマリは一瞬で消え去った。やっぱこいつ強すぎだろ
 ネオ曰くこれはマリの生霊で、本人は現在監禁されているらしい。呼び出された二人組が家に入ると、母娘は椅子に縛り付けられていた。抗議の声を挙げる二人組にうるせぇ!と怒鳴りつけて終わらせるネオ。でもこれ雲水と龍玄だって同じことやったのに、なんで今更そんなことに突っかかるんだろうか
 カメラ係からある写真を受け取ったネオはそれを美保に見せて映っている人物の名前を確認しだす。母娘が引っ越す前の写真らしく、美保は順番に名前を答えていくが、ある人物だけはわからないと首を振り拒否する。何か仕込んでるな…とネオは美保の頭に手を当て、黒いひものようなものを引っ張り出す。そして改めて美保に問いただすと、なんとその女性は美保の母親だという。今となりにいる女性は母親でも何でもないということらしい。ネオの信仰や力を探ったことを怪しく思ったネオが、家を隅々まで探しても家族の写真が無かったことで疑問を抱き、カメラ係に家族の写真を手に入れるよう頼んでいたのだ。必死にママだよ!とアピールする母親に対し、この人誰…?と返す美保。本当に誰なんだ…
 ついに観念した偽母は、大事な出来事なんだからちゃんと映像残してよね、そのためにあんたら呼んだんだからと言い放つ。ネオが偽母の服をずり下げると、肩には隣の家族にあったものと同じ模様の浮き出ていた。この宗教団体は美保の体を入り口に私たちの神様を現世に呼び出すことを目的としていた。本物の母親は何処だとネオが問い詰めるも、ふと立ち上がり、辺りを見回す。もう始まっていると偽母が宣言すると、明かりが点滅し始め、ネオはこれはよくないな…と漏らす。そして恒例の暗視カメラタイム
 美保の口から出た触手は首から上を覆いつくし、天井に届くとそこから人面が飛び出し、その口からまた触手が出てネオと偽母を取り込もうとした。まどろこっしい形の神だな。が、ネオが唸り声とともに手をかざすと、光の靄のようなものがでて、そこに神は吸い込まれた。え、これで退治完了!?お前強すぎだろ!あっけないわ!
 が、美保は依然として危険な状態らしく、なんやかんやで力を使い果たしたネオは一人では除霊出来ない体力であった。そのため真悠子の憑依体質を利用すると宣言、美保から触手を取り出すと、それを真悠子の体に移し替えた。大丈夫なんですかこれ!と詰め寄る真悠子に明日祓ってやるようっせぇな!とブチ切れるネオ。うーんこの
 一方霊感を無事開花させていた優は、嫌な予感がするからここ離れて!と美保を椅子から遠ざける。と同時に本棚が椅子に倒れ、その上空にマリの生霊が浮遊していた。えっらい肌色悪くなったな。私たちの神が来る、人間もこの世界も終わり、と急にチープな事を言い出した。ほぉ、面白れぇ…とネオは言い放ち、いつもの唸り声とともに手をかざすとマリは消え去った。お前力使い果たしたんじゃなかったのか
 ゆっくりとネオは振り返り、そして言う。「本当の戦いは…これからだな…」
そして、終わり。えええええええええええええええ!!?いや、残り時間見て若干嫌な予感してたけど、映画で僕たちの戦いはこれからだエンドやるの!?打ち切りマンガじゃないんだから!幾らなんでも嘘だろ…と呆然としていると、スタッフロールが流れて、本当に終わった。ええええええええ…

 しかしまぁ、総評としては、めちゃくちゃ面白かった。最後の放り投げエンドはちょっと残念だったけど、前半の雲水龍玄編、後半のネオ編共に見どころ満載で、最後まで飽きることなく見続けられた。真剣なホラーを期待してみると肩透かしだけど、皆でワイワイツッコミながら楽しく見る分にはいい作品じゃないだろうか