四季折々

体験した作品の備忘録

WOLF’S RAIN

 よくわからないことが多いけど私的にはいい意味で雰囲気アニメ。よくわからなくてもなんとなく感情が動く
 はるか昔に絶滅したと思われていた狼たちが楽園を目指すお話し。狼と言っても実在のとは違い、自身を人間に錯覚させる能力や、他の動物と会話をする能力を持っている。作中世界は衰退の一途をたどっており、貴族と呼ばれる集団が楽園の道しるべとなる月の花から花の少女を作り出し、楽園へいたろうとしている。さらっと書いたけど花から人間作ったり飛行機から謎ビーム、謎バリア出したりとんでもない技術力を持っている。一方庶民は現実世界と同じかそれ以下程度なので、ずいぶん極端な世界だ
 で、本筋は狼たちがこの花の少女を頼りに楽園へ向かったり、奪われた花の少女を取り戻したりするんだけど、それに絡む人間たちもまたいいキャラしている。狼に家族を殺されたと信じ愛犬とともに狼狩りに執着する元保安官とか、狼なんて信じてなかったのに元妻を探す旅をするうちに狼たちに巻き込まれる元刑事とか
 ただ結局話がよくわからなかったんだよなー…。TV放映は26話までとのことだが、製作が追い付かなかったのか途中で4週連続総集編が入る。そのあおりを受けて最終話は話がぶつぎりで何も解決していない。OVAという形で4話が追加され、本当の最終回となるが、この4話がこれまでに輪をかけてシリアス。なんせ最終話で終わった世界の中、楽園を求める上記の一行が次々に死んでいくのだ。楽園にたどり着けるのはキバ(主人公)だけと何度か言われていた通り、最後の戦いまでに仲間は皆死に、最後の戦いで敵も自分も全滅。その後なんやかんやで楽園が開かれたようなのだが、敵の片目が楽園に入り込み、花や水をうっすら黒く染めていった。これは楽園が少し汚されてしまった(=真の楽園とならなかった)ということなのだろうか
 その楽園の様子はというと、現代の日本風の街角で、かつての仲間たちが日常を送っている。バイクに乗ったりしているので狼ではなく人間の様子。その中をゆっくり歩くキバが、だんだん速度を上げて走り出してエンド。これが楽園…?結局なんで狼しかたどり着けないのかもよくわからなかったけど、これは転生したってことでいいんだろうか
 だいぶマイナスなことばかり書いたけど、普通に見る分には楽しめる作品だった。まず曲がいい。特にOPEDは素晴らしく、OPは映像含めて今まで見たアニメの中で一番好きだった。ラスト4話も確かに一層シリアスだけど、その分見応えはあった。そしてその4話に至るまでに本編を通して少しずつ協力し、理解しあった過程があったからこそだと思う。元保安官とトオボエのシーンが一番好きだった
 もう一回最初から見たいかと言われると疲れるので若干引け腰になるが、見て損はなかった